「最期の願いから、全国へ。」――ねはんドットギフトが描く、“人の時間”に寄り添う仕事

「最期の願いから、全国へ。」――ねはんドットギフトが描く、“人の時間”に寄り添う仕事

「人の人生に、最期まで寄り添うことはできないか。」
その答えを探し続けた結果、ねはんドットギフト合同会社は、
全国400名規模のカメラマンネットワークを持つ撮影事業へと進化した。今回は、代表・げんじぃこと掛谷玄至氏と北川仁美氏に、
事業誕生の背景から現在、そしてその先に見据える未来までを聞いた。

終末期ケアから生まれた事業の現在地

――ねはんドットギフトの事業内容について教えてください。

げんじぃ: 現在は、全国約400名のカメラマンと連携し、
幼稚園・保育園・小中高の行事撮影を中心に、イベント・企業案件の撮影を行っています。
繁忙期には1日で96件の撮影が動いたこともあり、
“全国規模で撮影を運営するカメラマンチーム”として事業が広がっています。
北川: 私は撮影現場の調整や、カメラマンの交通費管理などを担当しています。
看護師としての経験が長いので、相手に寄り添う姿勢は撮影にも活かし、 撮影が円滑に進むためのサポート全般を担っています。

――起業のきっかけは何だったのでしょうか?

げんじぃ: 理由は一つ。「余命半年と宣告された母を、最後の旅行に連れて行って味わった、親孝行が出来てよかった!という感情を、介護に携わるご家族の方にも味わってもらいたい」ということでした。
北川: 私は看護師として同行しました。
医師との連携、酸素や点滴の準備、緊急時に現地の病院へ入れる体制づくり…。
終末期の方を旅に連れていくために必要なことを、すべて整えました。
無事に行けたことで、「こうした旅を提供する会社が必要なのでは」と強く感じたことが、ねはんドットギフト設立の原点になっています。

――具体的にどんな事業か教えていただけますか?

北川: 終末期の方、重い疾患のある方を「安全に旅行へ連れていく」ためのサービスです。
看取りの現場で20年以上働いてきた経験から、
「最後にもう一度、その人が望む場所へ行ける社会をつくりたい」 という思いが根っこにありました。

コロナ禍での決断

――そこから、なぜ撮影事業へ転換したのでしょう?

げんじぃ: 創業時はコロナ禍。高齢者の旅行が非常に難しくねはんトラベルを動かせない状況で、
「会社を続けるために何ができるか」を考えた結果、撮影事業にたどり着きました。
もともと幼稚園・保育園の撮影会社と縁があり、
カメラマン不足に悩む現場が多かったので、そこをサポートしたんです。
北川: 私は看護師でしたが、旅行同行をきっかけにカメラを触るようになり、
撮影や現場管理を少しずつ覚えていきました。
それが結果的に、撮影事業の土台づくりに役立ちましたね。

――400名規模のカメラマンチームへ成長した背景は?

げんじぃ: 案件を束ねて、必要な人数を確実に手配する体制を整えたことです。
期日が決まっているイベント撮影では“人数の確保”が命なので、
フットワークの軽さと対応力が評価され、依頼が増えていきました。
北川: 現場での振る舞いや関係づくりを大切にしたことも大きいと思います。
看護師として培ってきた「相手を安心させるコミュニケーション」が、
撮影でも信頼につながり、新しい依頼の呼び水になりました。

成長のなかであった危機

――成長のなかで、苦しい時期もありましたか?

げんじぃ: ありました。
10月に月商1,000万円を超えた後、競合の安い価格に案件が流れてしまい、
急に稼働が止まった時期があります。
「このまま会社が終わるかもしれない」と感じたほどです。
北川: その頃は本当にギリギリでした。
でも、創業期から大切にしていた“人との関係づくり”が効いて、
時間をかけて案件が戻ってきました。
今、安定して依頼があるのは、その積み重ねがあったからだと思っています。

――ねはんドットギフトの強みはどこにあるのでしょう?

北川: 「人に向き合う姿勢」です。
看護でも撮影でも、相手の気持ちに寄り添うことを最優先にしてきました。
それが結果として、現場の満足度や信頼につながっています。
げんじぃ: 企業としては、「動く力」です。
困っている会社があればすぐに対応し、必要な人数を用意する。
そのスピードと確実性が、400名ものカメラマンを動かせる理由になっています。

――大規模な組織に思いますが、カメラマンのこのような働き方は一般的なのでしょうか?

げんじぃ: いえ、業界構造的にカメラマンへの撮影報酬が抑えられる傾向が多いので、 カメラマンの報酬が非常に低くなるケースがあるんです。
その環境を変えるためにこの組織をつくりました。
北川: 適正な報酬を支払うこと、交通費やスケジュール管理の負担を軽減すること、
そして将来的には“撮影以外でも収入が得られる仕組み”をつくること。
カメラマンの働き方を長期的に守れる組織を目指しています。

地域とともに育つ事業を目指して

――拠点を“茨城・土浦”にする理由は?

げんじぃ: 地元で事業を育てたいという思いがあります。
土浦の人たちは本当に温かく、関係の距離が近い、 だからこそ信頼関係が作りやすい土地です。
北川: 地域の写真館との連携も進めていて、
土浦三中近くの内田写真館さん、土浦駅中の阿部写真館さん、
地域イベントやスポーツ大会の撮影など、
“地域の写真文化”を盛り上げる活動も増えています。

――今後の展望を教えてください。

げんじぃ: 撮影事業を安定させつつ、地域の写真販売システムを確立したいです。
イベント撮影が持続的な収益となる仕組みを作っていきたいですね。
北川: そしていつか、原点である“ねはんトラベル”を再始動させたい。
終末期の方が望む旅を安全に叶える事業を、必ずもう一度形にしたいと思っています。

茨城で挑戦するすべての人へ

――最後に、茨城で挑戦する人たちへメッセージをお願いします。

げんじぃ: 地域にはまだまだ可能性があります。
茨城からでも、地方からでも、挑戦はできる。
僕らもその証明になりたいと思っています。
北川: 人の時間を大切にし、誰かの人生に寄り添う仕事を続けていきます。
茨城をもっと面白く、温かくできるように、これからも頑張ります。

会社情報

会社名
ねはんドットギフト合同会社
事業内容
法人向け全国千人カメラマンチーム
看護師帯同親孝行撮影旅行
撮影事業全般
骨迄葬儀撮影
所在地
〒300−0832 茨城県土浦市桜ケ丘町18−7
代表者
掛谷 玄至
設立年月日
2022年2月22日
従業員数
役員2名
社員0名
ねはんギルド6社+準備中2社
ねはん撮影チームカメラマン全国400名

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