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「この街で、いちばんの居場所になるために。」――ベストランドが育ててきた、地域と人を結ぶ宿
「ベストランド」という名前には、
その人にとっての“最善の場所”を届けたい、
という想いが込められている。なぜ、この名前を掲げたのか。
どんな街を、未来を描いているのか。
その答えは、 代表・髙野勝憲氏の歩みと、 ベストランドが積み重ねてきた仕事の中にある。
家業を継ぐことは、最初から決まっていた

――まず、髙野さんの生い立ちについて教えてください。
髙野: 私は江戸時代まで遡る農家「髙野家」の長男として生まれました。
幼い頃から「いずれ家を継ぐ」という前提で育てられていて、それは疑問に思うこともなく、
当たり前のこととして受け止めていました。
――その後、お父様が起業されたのですよね。
髙野: はい。1987年に父が脱サラして飲食業を始めました。筑波万博を見据えて、かなり大きな規模でスタートしたんですが、
結果的にはうまくいかず、事業を売却することになります。
――その経験は、幼少期の髙野さんにも影響がありましたか?
髙野: ありましたね。子ども心にも「事業って簡単じゃないんだな」という空気は感じていました。
ただ、その失敗があったからこそ、次の一手として不動産業に転換できた。そこが今のベストランドの原点です。
――不動産業へ転換した経緯を教えてください。
髙野: 飲食業を売却した資金をもとに、ビジネスホテルやアパートを購入しました。
家賃収入という、比較的安定したモデルに切り替えたんです。
――それが株式会社ベストランドの始まりになるわけですね。
髙野: そうですね。当初は大きな会社ではありませんでしたが、
「土地」と「建物」を軸に、少しずつ事業を積み上げていきました。
経営者になるために選んだ進路
――髙野さんご自身は、どのような進路を選ばれたのでしょうか。
髙野: 高校までは理系だったんですが、将来経営者になるなら研究者になっても意味がないと思って、文系の経営学科に進みました。
――大学卒業後、すぐに家業に入る選択肢もあったと思います。
髙野: ありました。でも、当時のベストランドはまだ小規模で、そこで得られる経験だけでは足りないと感じたんです。
経営をするなら「数字」と「人脈」は絶対に必要だと思い、外で経験を積むことを選びました。
――最初に就職されたのが銀行だったのですね。
髙野: はい。筑波銀行(当時は関東銀行)に7年間勤めました。
融資、投資信託、延滞回収など、幅広い業務を経験させてもらいました。
――銀行員時代は、いかがでしたか?
髙野: 仕事自体はとても面白かったです。
経営者と直接話ができるし、会社を数字で見る力も身につきました。
一方で、金融危機の影響でボーナスが大きくカットされるなど、厳しい時代も経験しました。
――転機はいつ頃訪れたのでしょうか。
髙野: 29歳の頃ですね。
資金調達の手段が多様化していく中で、銀行の将来性に疑問を持ち始めました。
30歳を節目に、次のステージへ進もうと決めました。
予定を変えた、ホテル建設の話

――銀行退職後のキャリアは、どのように考えていたのですか?
髙野: 不動産金融会社への転職が決まっていました。年俸も高く、実務経験を積むには理想的な環境でした。
――そこから家業に戻ることになった理由は?
髙野: 父から、つくばエクスプレス(TX)開通に合わせたホテル建設計画の話を聞いたんです。
継がなくてもいいけど法定相続人の長男として「連帯保証人」だぞと言われて、内定を辞退してベストランドに入社しました。
――大きな決断ですね。
髙野: 正直、悩む余地はあまりなかったですね。
やるしかない、という状況でした。
――ホテル事業は、最初から自社運営の予定だったのですか?
髙野: いえ。当初は外部に運営を委託するつもりでした。
ただ、開発途上のエリアだったこともあり、引き受けてくれる会社が見つからなかった。
――そこで自社運営に切り替えた。
髙野: そうです。結果的に、ホテル運営も飲食事業も自分たちでやることになりました。
2007年11月29日にホテルを開業しましたが、攻めたというより「必要に迫られた」という感覚が強いですね。
事業再編とコロナ禍

――その後、事業はどのように広がっていったのでしょうか。
髙野: 従業員や事業が増え、平成22〜23年頃にホールディングス化しました。
不動産、ホテル、飲食を分社化した形です。
――コロナ禍の影響も大きかったのでは?
髙野: 特に飲食事業は厳しかったですね。
太陽光事業の売却益と相殺する形で、不動産会社と飲食会社を合併し、組織を再編しました。
――現在の体制について教えてください。
髙野: 建物を所有するのが「株式会社ベストランド」、
ホテル運営を行うのが「株式会社ホテルベストランド」という形です。
――高野さんの経営スタンスを一言で表すと?
髙野: 「最大化」ではなく「最適化」ですね。
全国展開を目指すより、自分の原点であるつくば研究学園エリアに深くコミットしていきたいと思っています。
――地域への思いが強いですね。
髙野: TX開通から20年、この恵まれた環境で事業をさせてもらっています。
地域を良くすることが、結果的に自社の成長につながると信じています。
――研究学園駅にストリートピアノを設置したんですよね。
髙野: 地元の方たちの癒しの場になればと思い、設置させてもらいました。
愛着を持ってもらえるように、白いアップライトピアノの表面や周辺の壁にTXの車両や筑波山など、駅を利用される方たちの見慣れている景色などをペイントしています。
駅を行き交う人々の心の潤いになれたら嬉しいです。

地域に根差す経営を、これからも
――髙野さんにとって、仕事とは何でしょうか。
髙野: 地域のために役立つことです。
それが巡り巡って、利益として返ってくる。
地域貢献は、もうライフワークですね。
――最後に、今後の展望を教えてください。
髙野: この街が、これからも持続的に発展していくための礎を作ること。
ベストランドとして、できることを一つずつ積み重ねていきたいと思っています。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ベストランドホールディングス
- 事業内容(含関連会社)
- 不動産事業
ホテル事業
飲食事業 - 代表者
- 髙野 勝憲
- 創業
- 1987年
- 会社所在地
- 〒305-0817 茨城県つくば市研究学園5-12-10 研究学園スクウェアビル2階
- 資本金
- 500万円
- 従業員数
- 39人(正社員)