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「地域の当たり前を止めたくない」――現場に立ち続ける、茨城発インフラ企業の経営論
事故や故障、物流の滞り。
それらは、起きてはならない日常の“隙間”だ。
茨城で、その隙間を黙々と埋め続けている会社がある。
株式会社ITY。そして、その舵を握る代表・富島勝也だ。
現場に立ち、責任を背負い、地域とともに働くということ。
その言葉の先に、仕事の本質が見えてくる。
3つの事業で支える、地域のインフラ

――まず、株式会社ITYの事業内容について教えてください。
富島: 株式会社ITYは、大きく分けて3つの事業を柱にしています。
一つ目がロードサービス事業です。事故や故障といった車のトラブルに対して、24時間365日対応しています。深夜や早朝、悪天候の中でも要請があれば現場に向かいます。
二つ目が整備事業です。普通車はもちろん、大型トラックまで幅広く車検や修理を行っています。日々現場を走る車両が安全に動き続けるためには、整備の質が欠かせません。
三つ目が一般貨物運送事業です。住宅建材や飲料など、生活に直結する物資を運んでいます。派手さはありませんが、止まってしまえば社会に大きな影響が出る仕事です。
――まさに「車に関わるインフラ」ですね。
富島: そうですね。
どの事業も、普段はあまり意識されないかもしれません。でも、いざ止まると一気に困る。
そういう“当たり前を支える仕事”ばかりだと思っています。
三代目として背負う、決断の重み

――代表取締役に就任された経緯を教えてください。
富島: 前代表の塚原健太がチャンプホールディングスの代表に就任することになり、その流れで私が代表を引き継ぎました。三代目になります。
――社長になって、一番変わったと感じることは何でしょう。
富島: 責任の重さですね。
契約書への署名一つにしても、「会社を代表して判断する」という意識が常につきまとう。
保証人になることも含めて、「最終的に責任を負うのは自分だ」という場面が一気に増えました。
――数字の見方も変わりましたか?
富島: より深く見るようにはなりました。
ただ、取締役時代から財務諸表は見ていたので、急激に戸惑うことはなかったですね。
業務の引き継ぎ自体は、比較的スムーズだったと思います。
――現在の業務の割合はどのくらいですか?
富島: ここ数ヶ月は、8〜9割が現場ですね。
特に一般貨物運送は、ドライバーが一人欠けるだけで仕事が回らなくなる。
だから自分が現場に出ることも多いです。
――現場の後に、事務作業もされているんですよね。
富島: 毎日やってます。
日中は運転して、夜に書類を見たり、数字を確認したり。
正直、楽ではないですけど、今はそれが最適解だと思っています。
教科書通りにいかないから、仕事になる
――ロードサービスの仕事の大変さについて教えてください。
富島: 大型トレーラーの引き上げになると、10時間以上かかることもあります。
現場は毎回、条件が違うんです。
車種も違えば、落ち方も、壊れ方も違う。
――マニュアル通りにはいかない?
富島: いかないですね。
だからこそ、どう対応するかをその場で考える必要があります。
――どのように判断しているのでしょう。
富島: チームで知恵を出します。
一番安全な方法は何か。
車両へのダメージを最小限に抑えるにはどうするか。
時間、環境、リスクを総合的に見て判断します。
――ITYでのキャリアは長いですよね。
富島: 法人移籍して11年、前身の会社を含めると13年になります。
最初は事務職でした。
――そこから現場へ?
富島: レッカー業務を手伝うようになってからですね。
現場に出るうちに、この仕事の面白さに気づきました。
――印象に残っている出来事はありますか?
富島: 地元・茨城で水害が起きたときです。
水没車両を運ぶ作業を通じて、「地域の役に立っている」という実感が強くありました。
――ロードサービスの魅力は何だと思いますか?
富島: 困っている人を、直接助けられることです。
事故や故障で不安な状況の中、「ありがとう」と言ってもらえる。
人の役に立って、感謝されて、なおかつしっかり稼げる。
自分は、最高の仕事だと思っています。
人材不足と、誤解されがちな仕事像

――人材不足が課題だと伺いました。
富島: ロードサービス自体の認知度が、まだ低いんです。
それに、「24時間365日でハード」というイメージが先行している。
――実際の働き方はどうなのでしょう。
富島: シフト制ですし、休みも取れます。
完全歩合制なので、やった分だけ収入になる仕組みです。
短期間で集中して稼ぎたい人にも、
自分のペースで働きたい人にも合う。
柔軟な働き方ができるのが、この仕事の強みだと思っています。
茨城という、ちょうどいい場所
――茨城への思いを聞かせてください。
富島: 生まれも育ちも茨城です。
都心まで1時間ほどで出られて、土地は安く、道も広い。
生活するには、本当に「程よい田舎」だと思っています。
起業を志す人へ
――最後に、起業を考えている人へメッセージをお願いします。
富島: とにかく、やるしかないですね。
不安を考える暇がないくらい、がむしゃらに動く。
計画も大事ですが、まずは行動。
動かなければ、何も始まりません。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 ITY
- 事業内容
- レッカー車による自動車の移動業務並びに運搬業務
貨物軽自動車運送業及び一般貨物自動車運送業
産業廃棄物、一般廃棄物の収集、運搬及び処理業
倉庫業
その他 - 所在地
- 〒300-0007 茨城県土浦市板谷6-648-24
- 代表者
- 富島 和也
- 設立
- 2013年3月27日
- 資本金
- 2,200万円
- 従業員数
- 56名