借金ゼロ、現場主義。効率よりも「最適」を求める、茨城愛経営論

借金ゼロ、現場主義。効率よりも「最適」を求める、茨城愛経営論

茨城県つくばみらい市に拠点を置く、株式会社サン・ステップホールディングス。
足場事業から始まり、リフォーム、不動産、さらにはフラワーショップやエステサロンまで、一見すると関連性のない多角的な事業を展開している。
しかしその根底にあるのは、代表・山成政仁の徹底した「現場主義」と、独自の「最適化」のロジックだ。
なぜ、21歳という若さで起業の道を選んだのか。
なぜ、業界では異例とも言える「無借金経営」を貫くのか。
その答えは、山成の波乱万丈な歩みと、地元・茨城への深い愛。
そして「働くことは社会貢献である」という揺るぎない信念の中にあった。

21歳、クビからのスタート。「稼ぐ」以上の目的を探して

──まず、山成さんがこの業界を志し、起業に至ったきっかけから教えてください。
山成: 格好いい理由は一つもないんだよね。実は21歳の時に、勤めていた会社をクビになっちゃったのがきっかけなんだ。
21歳でクビになって、でも自分には足場の技術しかなかったから、『じゃあ自分でやるしかないじゃん』ってなって。
最初は共同経営からスタートしたんだけど、23歳の時にはもう独立してたよ。今年で創業27年になるけど、あの時クビになってなかったら、今の俺はいないだろうね

──21歳での起業。迷いや不安はなかったのでしょうか。
山成: 不安を感じてる暇もなかったかな。とにかく必死だったし、若さと勢いだけで突っ走ってたよ。
今はホールディングス化してるけど、原点はあのアスファルトの上で泥臭くやってた頃にあると思ってるんだ

──山成さんの経営スタイルで最も特徴的なのは、「無借金」へのこだわりだと感じます。
山成: 経営者って、どうしても『会社を大きくしたい』っていう欲が出るもんなんだよ。
借金して人を増やして広告を打てば、数字上の『最大化』は早いかもしれない。でも、俺はあえてそれを選ばなかったんだ。
30代の頃に『40歳までにすべての借金を返して、無借金にする』って決めてたんだよね

──実際に、その目標を達成されたのですね。
山成: そう。実際に40歳と2ヶ月で完済したよ。それからは大きな投資以外は全部キャッシュで回してる。
無借金にこだわるのは、身の丈に合わない拡大は必ずどこかで歪みを生むからなんだ。利益が出ている範囲で次の一手を考えるのが、俺の言う『最適化』。
自転車操業で数字を追うんじゃなくて、地に足をつけてスタッフやその家族をしっかり守れる経営がしたかったんだよね

現場第一主義がもたらす「圧倒的な効率」と「信頼」

──経営者がここまで現場に密着するのは珍しいですが、その意図はどこにあるのでしょうか。
山成: 現場こそが、すべての信頼の源泉だからだよ。俺が考える『効率』っていうのは、単なるスピードのことじゃないんだ。
『ミスをゼロにすること』なんだよね。例えば、現場で小さなミスが起きて後からクレームになったら、その対応にかかる手間やコストは事前のチェックの3倍にも4倍にも膨れ上がっちゃうでしょ?

──「事後対応」よりも「未然防止」の方が、結果的に効率が良いということですね。
山成: その通り。だから俺は今でも毎日現場に行ってるよ。
施工にミスがないか、お客さんの要望とズレてないか、自分の目で直接チェックするんだ。
『クレームゼロ、施工ミスゼロ』を徹底することが、お客さんへの最大の誠実だし、経営としても一番合理的。
現場を誰よりも知ってる社長でいたいっていう想いは、27年間一度もブレたことはないよ

ポケモンボールから花屋まで。遊び心とロジックが交差する多角経営

──土浦駅の近くにあるポケモンボールっぽい貯水槽の塗装は、山成さんが手掛けられたのですか?
山成: そうなんだよ(笑)。丸い貯水槽の上に何か面白いことができないかなと思って。
『どうせ丸いなら、ポケモンボールに塗っちゃえば面白くない?』って提案したら、いいよって言ってもらえて。
遊び心と言えばそれまでだけど、ああいうのが街にあるだけで通る人がちょっと楽しくなるじゃん。実際、今じゃポケモンGOのスポットになってるらしいよ

──その遊び心の一方で、フラワーショップ(サン・ステップクリエーション)などへの展開にはどのような戦略があるのでしょうか。
山成: 実は俺の中では全部繋がってるんだよね。例えば造花のレンタル。これって実は俺の本業の『足場のリース』とロジックが全く一緒なんだよ。
『資材を仕入れて、それを貸し出して、メンテナンスして回収する』。扱うのが鉄のパイプか花かっていう違いだけで、ビジネスモデルは同じなんだ。
リース業のノウハウがそのまま活かせると思って始めたんだよね

──一見バラバラに見えても、共通の成功ロジックがあるのですね。
山成: そうそう。エステサロンも、所有してる不動産のテナントが空いた時に『それなら自分たちで価値を生む場所を作っちゃおう』って始めたんだ。
俺の多角化は、闇雲に広げてるんじゃなくて、手持ちのカードをどう組み合わせて最適解を出すかっていうゲームみたいな感覚に近いかもしれないね

伝説の「ロールスロイス肉配達」に見る、山成流の人間関係術

──「トミジュン」さんのBBQに、ロールスロイスでお肉を届けたというお話について教えてください。
山成: ああ、あの話ね(笑)。当時、俺は肉の居酒屋も経営してたんだ。
ある時、トミジュンからBBQに誘われたんだけど、どうしても予定が合わなくて参加できなかったんだよね。でも仲間の集まりだし、何か力になりたいなと思って。
それで店で一番いい肉を仕込んで、愛車のロールスロイスを飛ばして会場に行ったんだよ

──ロールスロイスでBBQ会場に乗り付けるというのは、かなりのインパクトですね。
山成: 周りは『誰だ誰だ?』って驚いてたよ。俺は車から降りて、最高級の肉を『これ食べてよ!』って置いて、そのまま颯爽と帰ったんだ。
滞在時間はほんの数分。肉だけ置いて風のように去るっていうね。ちょっと格好つけすぎたかな(笑)
でも、そういう『粋』なやり取りが、理屈を超えた信頼関係を作るんだと思ってるよ

茨城という地元への恩返し。会社経営は「究極の社会貢献」

──なぜ、これほどまでに「地元」にこだわるのでしょうか。
山成: 結局、俺は茨城に生かされてる人間だからね。
ここで育って、ここで仲間を作って、ここで商売を教えてもらった。商売の本質は人との縁でしょ?
茨城の仲間と切磋琢磨して、地域の困りごとを解決していく。それが俺にとって一番自然な姿なんだよね

──山成さんにとって、会社を経営することの意味とは?
山成: 最近は『倫理法人会』での活動も通じて学んでるけど、結局、経営って『社会貢献』そのものだと思ってるよ。
税金を納めるのも雇用を作るのもそう。もっと言えば『利他の精神』で動くこと。自分が儲かることばっかり考えてるうちは成功しないよ。
誰かの役に立って街に貢献する。その結果として、お金が後からついてくる。これが27年やってきて辿り着いた結論かな

挑戦を恐れるな。若き起業家たちへのエール


──最後に、山成さんの背中を追う若き起業家たちへメッセージをお願いします。
山成: 正直に言うと、『経営なんて大変だからやめとけ』って言いたい気持ちも半分あるよ(笑)
でも、もう半分は『失敗を恐れずに飛び込んでみろ』って思ってる。失敗して恥をかいて苦労して、初めて人は成長するんだから。
今の若者は『お金のためじゃない』ってスマートに言いがちだけど、最初は『金持ちになりたい』とか『いい車に乗りたい』っていう欲望全開でもいいと思うんだ。
でもその先に、必ず『誰のためにこれをやるのか』っていう目的を見つけてほしいな。目標を立てて、そこに向かって現場を這いずり回る。その泥臭さの先にしか、本当の景色は見えないからね。
茨城には面白いチャンスがいっぱい転がってるよ。俺もまだまだ現役で現場を走り続けるから、共に街を盛り上げていける熱い奴らが現れるのを楽しみにしてるよ!

会社情報

会社名
株式会社 サン・ステップホールディングス
事業内容
建築全般
リフォーム業
所在地
〒300−2311 茨城県つくばみらい市野堀476−35
代表
山成 政仁
設立
1998年10月
資本金
1,000万円
従業員数
30名

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